業界別のFacebookの運用状況を考察する本企画。今回は美容医療の業界をのぞいてみたいと思います。
美容医療サービスの業界では、医療法の規制があり広告の表現においては非常に厳しいルール付けがされていました。
その対象が2018年に拡大し、広告のみならずWEBサイト全般(メルマガ含む)にも規制がかかるよう医療法が改正されたため、FacebookをはじめとするSNSにもその影響が出ています。
具体的には下記の事項が掲載不可となります。
・治療や効果についての一般個人の体験談
・施術前と後を比較するビフォーアフター
・購入や施術を誘発するような煽り
・費用の強調
上記のように、これまで打ち出していた「商品理解」に影響のある項目がかなりの面で規制されたため、なかなか対ユーザーでアプローチできる要素が狭まったことになります。
それでは、そんな中での各社のFacebookの動向を見てみましょう。
■認知度バツグンの高須クリニックは「Facebook」をやっていない
美容医療系というとまず高須クリニックを思い浮かべるのではないでしょうか。院長のメディア露出も非常に多く、個人の話題でもたびたびニュースにあがっている高須クリニック。そんな高須クリニックは、実は意外とFacebookを運営していません。一報、Twitterやインスタグラムは積極的に投稿や誘導をしています。これはそもそも法改正以前の問題で、「美容医療において匿名性の低いFacebookは適さない」という考えが裏側にあるのではないかと推測されます。事実、他SNSでの投稿は頻繁に行なわれており、中身をみてみると、改正された掲載不可コンテンツに近似するコンテンツも展開されています。
■湘南美容外科クリニックは、個々のクリニックで投稿内容が異なる
美容医療の有店舗型サービスでは、ほぼ共通なのですが、湘南美容外科をはじめとして多くのショップが「それぞれのショップでFacebookを展開している」ケースが非常に多いです。湘南美容外科クリニックでも、各店舗ごとにページが存在しておりその投稿内容や頻度は完全にバラバラです。院によっては、17年から投稿を行なっていない、なんてページも存在します。
著名な2アカウントだけでなく、他の美容医療系アカウントでも、今回の規制を受けても禁止事項の投稿は続いている傾向にありました。一つは美容医療業界において、他との差別化・誘客の装置として、今回規制された内容が非常に効果的である裏づけになっています。もう一つは、個々の店舗単位での運用となっているため、全体のブランド統一展開をSNSに求めていない、ということが見受けられます。
けして周りに嬉々として語るサービスではないためか、あま双方向のコンテンツや情報アプローチは行なっておらず、個々のお客様との1To1のコミュニケーションを大事にしているのでしょう。
まだまだ法改正は行なわれたばかり。今後、監視の目が強化されることで業界のソーシャルアプローチは変化していくのかもしれません。