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買わないことを推奨する「デ・インフルエンシング」の影響力

過度に高価な商品や環境負荷の大きなモノに疑問を投げかける

インフルエンサーマーケティングは一大産業となりましたが、市場が飽和するに従い、その欠点にも目が向けられ、モラルに欠いた行動は批判の対象となっています。それに対抗するトレンドとして、製品を買わないようフォロワーに呼びかける「デ・インフルエンシング」と呼ばれる行動が見られるようになりました。通常のインフルエンサーマーケティングが商品購入を促すものだったのに対し、過度に高価な商品や低品質な商品、消費者の心身や環境に悪影響を及ぼすモノ、あるいは、倫理的に疑わしい商品を買わないよう呼びかける行動パターンです。「デ・インフルエンシング」の影響力について、Mailchimp社が解説しています。

消費者に選択肢を与える教育的な投稿がTikTokから広まった

これまでのインフルエンサーマーケティングでは、企業から広告費や試供品を受け取る代わりに商品を宣伝するものでした。一方、デ・インフルエンシングは、正直な批評をもとに、代わりとなる商品を推奨します。単に過剰な商業主義に不満を唱えるのではなく、消費者に選択肢を与え、教育的な情報を与えるのが目的です。
TikTokで活躍するインフルエンサーが始めた活動だと言われ、「#deinfluencing」のハッシュタグをつけたコンテンツが多数投稿されるようになりました。

過剰に化粧品や衣服を過剰に購入しないよう促す日用品メーカーの施策

日用品メーカーKimberly Clark社は、流行っているからとか、インフルエンサーが薦めていたからといった理由だけで化粧品や衣服を過剰に購入しないよう促す動画を投稿しました。「#antihaul」運動として、多くのフォロワーから支持を得ています。単に競合の商品に否定的な意見をつけるようなものではなく、賢い消費を促す施策である点には注意が必要です。
デ・インフルエンシングは、企業の透明性や信頼性を高め、長期的な価値の向上につながる可能性があります。消費行動や環境への配慮を見せることで、消費者とのエンゲージメントを高めます。

まとめ

デ・インフルエンシングは、従来のインフルエンサーマーケティングを否定するものではなく、その手法を再定義したものと考えられます。マーケティング部門の視点から考えると、透明性を重視したマーケティング施策の展開により、競合からの差別化を図れるのが利点と言えます。

参考資料
https://mailchimp.com/resources/what-is-deinfluencing/
著者:Takayuki Sato

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