補助金や助成金を活用してSNS運用を支援することで、マーケティング活動を強化し、コストを抑えることが可能です。特に、中小企業や小規模事業者にとっては、販路拡大や事業転換を図るための重要なサポートとなります。本記事では、代表的な補助金や助成金を通じてSNS運用費を活用する方法と注意点について解説します。

1. 事業再構築補助金の活用

事業再構築補助金は、コロナや物価・原油価格の高騰の影響を受け、事業の再構築が必要な事業者を支援する制度です。この補助金は、設備投資や事業転換に必要な費用を補助するため、SNS運用代行費用なども含めた申請が可能です。しかし、全体の申請費用の2～3割程度にとどめることが推奨されており、SNS運用にすべてを充てることはできません。

例えば、合計1,000万円の申請においてSNS運用費を250万円とした場合、補助率3/4で1,875,000円が補助され、実質62.5万円でSNS運用代行が利用できる計算になります。このように、設備投資や改築費用とバランスを取りながら計画を立てることが重要です。

2. 小規模事業者持続化補助金の活用

小規模事業者持続化補助金は、従業員数が5～20名以下の事業者を対象に、販路拡大のための費用を補助します。SNS運用も対象となりますが、WEB関連費用全体を申請費用の4分の1以内に抑える必要があり、SNS運用費が占める割合には制約があります。この補助金の上限額は申請枠により50～250万円で、補助率は3分の2～4分の3です。

3. 東京都限定の経営支援策

東京都では、新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業という制度も提供されています。これにより、コロナ禍や社会環境の変化に対応したビジネスモデルの構築をサポートする補助金が得られます。東京都に拠点がある企業は、地域に特化した支援策も視野に入れると良いでしょう。

補助金/助成金活用の注意点

補助金/助成金をSNS運用に充てる場合、いくつかの注意点があります。

SNS運用費用は全体の一部に限られる※
一般的に、補助金/助成金の25～30％程度しかSNS運用に充てることができません。そのため、設備投資や改築費用と並行して計画する必要があります。※補助金によっては、SNS運用費用に充当できる割合が制限される場合があります。
申請に多くの要件を満たす必要がある
補助金/助成金の申請には詳細な計画書が必要で、採択後は計画書に沿った運用が求められます。申請から採択までは数か月かかるため、資金計画も重要です。
実施後の報告義務
採択された場合、計画に沿って投資を行い、その結果を報告する義務があります。計画通りの投資を行わなければ、補助金/助成金の支給が受けられない可能性もあります。

補助金/助成金を活用することで、SNS運用の費用を削減し、効果的なマーケティング戦略を実現することが可能です。しかし、SNS運用費用に多くを割り当てられない制約があるため、計画段階で費用配分を慎重に検討することが重要です。また、補助金/助成金の申請には計画書の詳細な記載と受給条件の確認が必要なため、専門家のサポートを活用するとスムーズに進められるでしょう。