カメラで撮影した画像で検索すると、それに似た商品が推薦される
TikTokはショート動画の投稿・視聴で有名になりましたが、近年はオンラインショッピングにも力を入れています。TikTok shopは既に美容・健康の小売り分野において、米国では9位、英国では2位の規模に達しました。そして、アプリ内の商品購入を促進するよう、TikTokは画像検索機能を導入しました。Social media todayが、TikTokの画像検索機能について解説しています。
TikTokの「Shop」タブにあるカメラのアイコンをクリックすると、画像検索が行えます。スマホのカメラで撮影するか、保存済みの画像を選択すると、それに似た商品が推薦される仕組みです。米国や東南アジアの一部のユーザーに向けて公開された機能ですが、その機能の効果が実証されるにつれ、より多くのユーザーへ展開されると見られています。
年率15%で成長するTikTokのアプリ内購入
画像検索の機能自体は、GoogleやPinterestでも導入されているので、真新しいものではありません。しかし、同機能は、TikTokというアプリの中でオンラインショッピングに関するユーザー体験を向上させることが期待されています。
2023年におけるTikTokのアプリ内購入の額は38億ドルに達したとの調査が報告されました。これは、年率15%の成長であり、オンラインショッピング機能の価値が証明されつつあると言えます。TikTokを運営するバイトダンス社は、中国内ではDouyinでソーシャルコマースを展開していますが、その売り上げは約3000億ドルです。TikTokにおいても、Douyinに迫るほどの、さらなる成長が期待されています。
ソーシャルコマースを普及させるための課題
ソーシャルコマースは新たな市場であり、まだビジネスモデルが確立されたとは言い切れません。例えば、特定のブランドや製品を好む消費者は正規Webサイトから購入する傾向にあり、たとえ値引きがあったとしてもTikTokのようなアプリからは購入しないケースが見受けられます。ソーシャルメディア運営企業は、アプリ閲覧者を商品購入まで進ませるのに苦慮していると考えられます。
まとめ
若い世代を対象にしたとしても、中国市場で広まっているようにソーシャルコマースを米国や他の地域で普及させるのは簡単ではありません。しかし、画像検索機能などを積極的に展開しているTikTokは、今後、成功を収める可能性もあると言えるでしょう。
参考資料
https://www.socialmediatoday.com/news/tiktok-adds-image-search-for-similar-products-in-tiktok-shop/718819/
著者:Takayuki Sato