旅先を検討しながらコンテンツを検索しているユーザーにリーチする
TikTok社の旅行業界担当者Hannah Bennett氏は、2025年1月にロンドンで開催されたイベントで、旅行会社に特化した広告プロダクトの開発を進めていることを発表しました。この広告プロダクトは、旅行を計画しているユーザーへリーチするのを目的にしたEコマース機能となります。現在は限られた旅行会社で試験運用が行われており、今後、より多くの企業へと展開されることが見込まれています。このイベントを開催したSkift社が、TikTokの旅行業界向け広告プロダクトについて解説しました。
旅行に関連したコンテンツは年率350%で増加した
TikTokは全世界で10億人のユーザーを抱えており、その平均年齢は30歳を超えています。このプラットフォームでは、旅行に興味を持つユーザーが多数存在しており、旅行に関連したコンテンツは高い人気を誇っています。「#travel」のハッシュタグが付いた投稿は、2023年には年率350%で増加しました。TikTokでは、フォローしているアカウントの投稿だけでなく、ユーザーが興味を抱く可能性の高いコンテンツも表示されます。そのため、旅行に興味を持ちそうなユーザーは、それに関連した投稿を目にする機会が増えることになります。同社によると、旅行1回あたりの予算は100ポンドを超えており、他のプラットフォームと比べてもTikTokのユーザーの旅行予算は大きいとされます。
これまで検討していなかった訪問先を発見したときのユーザー体験を向上する
TikTokの調査によれば、TikTokユーザーの83%が、TikTokのコンテンツをきっかけに、それまで検討していなかった訪問先に興味を持った経験があるとされています。例えば、人気の旅行先であるパリについて調べていたユーザーが、同様に美しい街であるベルギーのブルージュを発見するケースが挙げられます。このような場面で、ホテル予約サイトBooking.comのような企業が広告を表示すれば、高い広告効果を得られることが期待されます。
まとめ
米国政府によるTikTokの規制が今後強まる可能性がある一方で、TikTokをマーケティング基盤として活用する企業からの支持は依然として続いています。TikTokにおける広告の売り上げは、今後も伸びていくことが期待されています。
参考資料
https://skift.com/2025/01/09/tiktok-to-debut-a-travel-specific-ads-product-for-brands/
Author:Takayuki Sato