ユーモアを活かして若い世代の支持を集めた航空会社
ソーシャルメディアは旅行や観光の意欲をかきたてるプラットフォームとなりました。TikTokでは「#travel」のハッシュタグが940億回視聴、「#tiktoktravel」も327億回視聴されるほど、人気のコンテンツです。企業とのエンゲージメントを重視するZ世代やミレニアル世代に向けて、観光・旅行業の会社がTikTokで積極的に訴求するようになりました。Econsultancy社がTikTokを活用した海外事例について紹介しています。
Ryanair(アイルランドの格安航空会社)は、美しい旅行写真を投稿するような典型的なソーシャルメディア戦略とは異なり、旅行業界の現実について皮肉を込めて発信する投稿で人気を集めました。フライトがキャンセルになり困った様子などを取り上げることが、かえって、若い世代には正直さとして伝わり、フォロワーを140万に達するまでの成功を収めています。
若い世代が興味を持つテーマをまとめ、動画を投稿するキャンペーンを展開
TikTokでは、若い世代が興味を抱きやすいバックパックやキャンプ、さらにはギャップイヤー(大学入学前などの社会体験活動)といった体験が人気のコンテンツとなっています。Visit Singapore(シンガポール公式観光ガイド)は「知られていない旅先」というテーマの下で、これらの体験の行き先としてシンガポールを動画で紹介するキャンペーンを行い、認知を高めました。
自社の顧客層と重なるフォロワーを持つインフルエンサーとの協業
イタリアのホテルForestis DolomitesはTikTokでインフルエンサーマーケティングに取り組み、新規顧客を開拓しました。ラグジュアリーファッションを中心に発信するインフルエンサーと協業し、同ホテルを訪れる様子をTikTokで発信する施策です。同ホテルの顧客層と重なる、流行に敏感な若い層をフォロワーに抱えるインフルエンサーの投稿は、ホテルの認知度を高めるのに効果を発揮しました。
まとめ
ある調査ではZ世代とミレニアル世代の約3割が、企業との直接的なエンゲージメントが購買意思に影響すると回答しました。TikTokは、このようなエンゲージメントを得るのに適したプラットフォームです。TikTokに合致したコンテンツを投稿すれば、マス向けの画一的なものではなく、パーソナライズされたメッセージとして若い世代に受け入れられることが期待されます。
参考資料
Six travel and tourism brands using TikTok to connect with young consumers