Googleのサービス全体で商品購入の体験を促進する戦略
YouTubeは、視聴者に商品の購入を促すショッパブル広告の導入を発表しました。「今すぐ買う」ボタンが表示され、小売業者の販売サイトへ遷移できる機能です。動画を視聴する際、カタログのように商品画像や値段が表示されるのが特徴となります。このショッパブル広告について、米メディアMobile Marketerが解説しました。
YouTubeの親会社であるアルファベット社全体として、Eコマースを拡大する戦略が目につきます。Googleの検索画面に商品を表示させたり、Google Payによって決済手続きを簡素化させたりして、AmazonなどのEコマース企業と競争するようになりました。YouTubeのショッパブル広告も、その一環と言えるでしょう。
コンバージョン率や投資対効果で大きな改善が見られるショッピング広告
コロナ禍の影響もあり、実店舗よりもオンラインでの販売を強化したい小売業者に対し、ショッパブル広告は効果的な販売チャネルとなり得ます。女性向け衣料品ブランドAerieが試験的にショッパブル広告を利用したところ、通常のチャネルよりも9倍高いコンバージョンが得られたと報告されました。広告への投資対効果を見ても、前年に比べ25%の改善が見られたとされます。
自動車のような高額な商品の場合、ショッパブル広告から購入に進む可能性は高くないため、YouTubeは動画に見込み顧客向けのフォームを表示する機能を追加しています。自動車メーカーのジープ社の試験利用では、見込み顧客一人獲得あたり84%のコスト削減と、フォーム完了率の向上が確認されました。
Googleマーチャントセンターで管理するショッパブル広告
YouTubeのショッパブル広告が利用可能になった場合、Googleマーチャントセンターから該当する広告を作成します。動画に対する広告キャンペーンとして商品の販売促進を行い、視聴者からのコンバージョン獲得を目指す流れです。
まとめ
YouTubeのショッパブル広告は、オンラインからの売り上げを増やしたい小売業者にとって新たな選択肢を与えてくれるものです。近年は、D2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)の流れがあり、ブランドと消費者の距離を近付ける簡便な販売促進キャンペーンが好まれるようになるでしょう。
参考資料
https://www.mobilemarketer.com/news/google-unveils-shoppable-video-ads-for-youtube/580221/
著者:Takayuki Sato